デジタルライフライン全国総合整備計画 「ドローン航路」の整備を進めるトラジェクトリ―がその社会実装に向けた浜松市天竜川の実証実験で日本初となる垂直離着陸型固定翼ドローン(VTOL)のレベル3.5飛行を実施

空間情報管理システム及び航空管制システムの開発等を行う株式会社トラジェクトリ―(本社:東京都港区、代表取締役:小関 賢次、以下「トラジェクトリー」)は、先月、国が進めるデジタルライフライン全国総合整備計画アーリーハーベストプロジェクトの一環としてNEDO※が実施している産業DXのためのデジタルインフラ整備事業において、研究開発中のドローン航路システムの試験に向けて日本初となるVTOL型ドローンのレベル3.5飛行を成功させました。本試験飛行は、トラジェクトリーがドローン航路設計及び整備を行い、HMK Nexus株式会社(以下「HMK Nexus)・エアロセンス株式会社(以下「エアロセンス」)が共同でVTOL型ドローン「エアロボウイング」による運航を担い実施されました。
※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
【実証実験の飛行の概要】
2024年12月25日に静岡県浜松市天竜区の天竜川水系上空において、ドローン航路を利用した医薬品配送事業を想定した実証実験が行われました。
上流の阿多古地域の病院で発行された処方箋情報を、下流の二俣
地域の薬局に送信し、調剤された医薬品をドローンで迅速に配送する流れを検証。垂直離着陸型固定翼ドローン(VTOL)「エアロボウイング」は浜松市天竜壬生ホールから離陸し、天竜川沿いのドローン航路として想定される空域を北上。約11kmの距離を安全かつ効率的に飛行し、目的地である上阿多古ふれあいセンターに到着しました。当社は、研究開発中のドローン航路システムへ登録するためのドローン航路の空間情報整備、グランドリスク評価やドローン航路内におけるレベル3.5飛行に対応した安全な運航ルートの設計及び検証を行いました。
【今後の展望】
本試験で得られた知見をもとに、研究開発中のドローン航路システムへの天竜川水系におけるドローン航路に関連する情報の整備や、機能の評価などさらなる検証を進めてまいります。
今後も、ドローンを用いた事業の普及促進や社会課題の解決に取り組み、買い物が困難な地域において日用品や食品、医薬品をドローン配送で受け取れるようになることで、高齢者の負担を軽減するなど、特に過疎地や山間部での生活サポートにも貢献してまいります。
【ドローン航路とは】
従来、ドローンの飛行の際には、運航会社がそれぞれ飛行ルートの計画や各種調整を個別に行い、周知や情報共有をしていました。しかし、新たにドローン航路システムが導入されることで、運航会社が個別に行なっていた飛行ルートの調査や周辺関係者との調整にかかる手間や費用を協調領域として整備されることにより、運航会社の時間とコストを大幅に削減できる効果が期待されています。